今更ながら、回廊12号の感想です。

『回廊』第12号: 『そして僕は「世界」になり』
著/水池 亘
絵/あらし

 学校のお話。想像の仕方は面白いと思った。アイデアは斬新と言えないまでも、著者の中で練り直すことで、想像力を発揮させる舞台を作り上げているのかも。それゆえに、原稿用紙60枚は短かったのではないかと思う。冗長でもいいから、2倍・3倍の分量になっても喜んで読んだ。
 想像したことをもっと丁寧に拾い上げたら、良質のSFとしてさらに飛躍できたのではないだろうかと思った。


『回廊』第12号: 『ノイエ・エイヴィヒカイト』
著/秋山真琴
写/友利亜

 宇宙のお話。著者の超短編的世界を拡張したような印象。私の好きな展開。短い割に、プロット感も受けない。豊かな発想。自ら決めた量の作品をぴったり仕上げられる人なのかもしれない。
 なんだろう。お洒落な服装でお洒落なカフェに入って、お洒落なケーキを食した感じ。
 何となく文章に余裕を感じてしまったことは残念でもあり、愉快でもあった。もっと書けるんだけど、今日はここまで〜と言われた感じがした。